切手の色の判別でよく出てくる用語を整理してみた

切手
切手の赤の色見本

 例えば、風景6銭(赤)の切手の色の分類に挑戦してみたでは風景2銭切手に対してのだが、ビジュアル日専 小判・菊切手編ビジュアル日専 田沢切手編には、「にぶ」「暗い」「明るい」「灰味」「黃味」「こい」「うすい」といった用語がよく出てくる。これがインクや視覚的にどういう意味なのかを正確に把握しないと、色の分類ができない事に気がついたので、意味を調べてみた。

 「にぶ」「暗い」「明るい」「こい」「うすい」「灰味」「黃味」は色的には、表でまとめたように、「暗い」「明るい」「こい」「うすい」は基準色に対する明度と彩度/純度の2軸の大小を表した用語として整理できるらしい。また、「灰味」「黃味」は基準色の色を変更する用語のようだ。一方、「にぶ」が概念的には難しく、1番目の概念である基準色、2番めの概念である明度・彩度/純度の座標軸だけでは整理ができず、もう一段階、概念を追加して理解すると良いらしい。その3番目の概念は、人間の近く・評価であり、用語的に鈍いを意味する「にぶ」、冴えるを意味する「さえ」等が該当するとのこと。

 では「にぶ」が明度軸、彩度/純度の座標軸的にどうなのかというと、彩度/純度が少し弱い、明度が少し弱いあたりの中途半端な領域に属する色を一言で「にぶ」と表す概念だと理解すると良いらしい。

用語属する軸意味
明るい明度軸光量が多い
暗い明度軸光量が少ない
こい彩度/純度軸色が強い/純度が高い
うすい彩度/純度軸色が弱い/純度が低い
にぶ純度/純度軸感覚的に冴えがなく感じる
灰味色相(補助軸)色の方向性
黃味色相(補助軸)色の方向性
用語と明度と彩度の関係

 ここまでの整理をわかりやすくするために、例題として赤を基準色として明度と彩度/純度を隣のタイルが等距離になるように大雑把に色分けしたのが下である。色空間的には等距離なのに、明度の違いはわかりやすいが、彩度/純度の違いは非常にわかりにくい。これが、切手の印刷色を判定するのが難しい理由の一つなのかもしれない。ちなみに、この図の場合、Webのカラーコード赤を使うと、タイル的には一番右上になる。ここまで描くと、明度が暗くなるに従って、茶色によってくることがわかる。切手の色的には基準色として使えそうな赤茶もしくは茶という色も出てくるので、赤と赤茶/茶の境界がどのあたりか調べたほうが良さそうだ。

赤の色見本の例

 というわけで、もう少し調べてみた。切手のRGB的には赤茶が120~180, 40~80, 20~60、茶が90~150, 50~100, 30~70の範囲にあるようだ。先程の赤の色見本で、明度が一番暗く、彩度/純度が一番うすいタイルのRGBを191,48,48としたので、赤茶も茶もさらにこの左側にくるようだ。ちなみに、WebのRGB的には赤が255,0,0ではあるが、切手の赤は220,30,30程度であるらしい。先日、風景6銭(赤)の切手の分類をした際に赤をWebのRGBで規定したのだが、違和感があった理由がようやくわかった。切手の「赤」は色見本の図ではちょうど中央の位置にあるものだった。

 となると、この中央にある切手の「赤」の色は、すぐ右側にある彩度が一段高い色と目視で区別するのが難しいのだが、彩度/純度的には最大値なので色見本的にはこれ以上の距離を離すことも難しい。この位かそれよりも小さい彩度の差異を見分けることが印刷色の判別には重要そうだ。また、そもそも論として、切手の色の分類を決めた際には色を目視で区別できることが要件として定められたようなので、これ以上細分化する必要もなさそうだ。

 先日、風景6銭(赤)や田沢切手・大正毛紙3銭(赤)の色の分類に挑戦してみたのだが、その際に英語の色名が「scarlet」、「rosine」、「vermilion」といった、いかにも固有の色を表す名称が割り当てられていることに気がついた。日本語名は基準色に対する相対的な名称がつけられていることが多いが、英語名は日本語だと基準色から相対的にズレたところに、英語的な基準色があるので、印刷色を判定する際に重要な情報になりそうなので、先程のタイルのどの位置に対応するのか記載してみた。vermilionはこの図の基準色である赤とは異なる基準色の色名とのことなので、記載していない。

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