田沢切手(大正毛紙)3銭切手の用紙の分類に挑戦してみた

切手
田沢切手・大正毛紙の用紙

 ビジュアル日専 田沢切手編によると、田沢切手は大きく分けると大正白紙、大正毛紙、新大正毛紙、昭和白紙とに分類できる。このうち、大正白紙と大正毛紙の原版が旧版、新大正毛紙と昭和白紙の原版が新版とされ、旧版と新版とでわずかながらサイズの違いがあるらしい。そこで、今回は大正毛紙の3銭切手の用紙の分類に挑戦することとする。

 田沢切手・大正毛紙シリーズの印刷色を分類するにあたり、乗り越えなくてはならない山がある。それは、大正毛紙と一言で言っても、4種類に分類できる用紙を特定することである。用紙を分類するためには以下の4項目を総合的に判断する必要があるとのこと。

  • 抄き込み着色繊維の多少。
  • 透かしてみたときの斑点。
  • 目打ちの先端の繊維の毛羽立ち具合。
  • 紙の表面の滑らかさの度合い。
用紙特徴
最初期毛紙原料はワラ45%、木綿55%。
1914年(大正3年)から1916年(大正5年)まで使われた。
着色繊維は長く量が多い。
斑点はほぼない。
目打ちの先端には毛羽立ちが少ない。
初期毛紙原料はワラ45%、木綿55%。
1916年(大正5年)から1919年(大正8年)まで使われた。
着色繊維は少ない。
斑点はほぼない。
目打ちの先端には毛羽立ちが少ない。
中期毛紙原料はワラ55%、さらし亜硫酸パルプ35%、木綿10%。
1919年(大正8年)から1923年(大正11年)まで使われた。
着色繊維は少なく、初期毛紙と同量。
透かすと若干の斑点が見られる。
目打ちの先端の毛羽立ちが多い。
後期毛紙さらし亜硫酸パルプ85%、木綿10%、ワラ5%。
1924年(大正12年)から使われた。
着色繊維は少なく、初期毛紙と同量。
透かすと全面的に斑点が見られる。
目打ちの先端の毛羽立ちが非常に多い。
さらし亜硫酸パルプの影響で表面が滑らかでなく、わずかに凹凸が見られる。
田沢切手(大正毛紙)の用紙の分類

 小判切手と同様に、まずは写真からどんな情報が得ることができるか調べてみる。撮影した写真は下。裏面の写真から着色繊維の多少を評価できそうだ。ただ、定量的に本数を数えるのは難しそう。一方、斑点、目打ちの毛羽立ち具合、表面の滑らかさ、原料の割合は評価が難しそうだ。

大正毛紙3銭切手の表面
大正毛紙3銭切手の裏面

 続いて、同じ切手で最高倍率の写真を撮影してみる。撮影した写真は下。表面の滑らかさと目打ちの毛羽立ち具合は評価できそうだ。

大正毛紙3銭切手の表面の拡大
大正毛紙3銭切手の目打ちの拡大
大正毛紙3銭切手の裏面の拡大

 最後に斑点を確認するために透過光の写真を取ってみる。手元に透過光の写真を取る専用の器具はないので、試行錯誤の上で、4K顕微鏡で透過光写真を撮影してみた。この方法で斑点が映るのか、この切手で斑点が確認できるのかはわからないが、この写真には斑点らしきものは写っていない。

大正毛紙3銭切手の透過光写真

 この切手の消印は3.9.18とあるので、大正3年か、昭和3年だと思われる。裏面写真からわかる着色繊維の量は相対的に他の切手よりも明らかに多いので、これらの情報から最初期毛紙だと思われる。

 続いて、斑点の有無がわかるようにならないと、残りの3種類の用紙の判別が難しそうなので、斑点が映る切手を探してみる。100枚くらい調べたけれども、結局見つからず。この方法では斑点を見ることができないようだ。旧大正毛紙3銭切手の用紙を分類するのに必要な情報が揃っていないため、用紙の分類の挑戦は一旦終了。

 これでは埒が明かないので、ビジュアル日専 田沢切手編から確実に後期毛紙であることがわかるものがないか調べてみる。見つかった。旧大正毛紙13銭切手は、後期毛紙のものしか発行されていないようだ。これで、後期毛紙の特定ができた。残るは、初期毛紙と中期毛紙だが、どちらかのみしか発行されていない額面は存在しなかった。ただ、旧大正毛紙8銭切手は初期毛紙と中期毛紙のものしか発行されていないようだ。しかも、印刷色が異なっており、初期毛紙のものは暗い灰、中期毛紙のものは灰とのことなので、目視で見分けられるかもしれない。

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