前回の記事では、ヤフオクで入手したU小判2銭切手を『ビジュアル日専 小判・菊切手編』に基づき、色調や印刷時期、用紙の違いから分類できないか検討した。色調判別の難しさから、印刷時期と相関のある「用紙の特定」に着目し、スマホ写真やスキャナ画像による拡大観察を試みたものの、明確な判定には至らなかった。
スマホ写真やスキャナ画像ではどんなに拡大しても紙の繊維が今ひとつはっきりと見えないので、改造度が足りないのかもしれない。これらよりも画像を拡大して写真を取れる方法を調べた結果、顕微鏡を使うことにした。
顕微鏡を選定するにあたり、まず何倍くらい必要か調べてみた。最初に調べておけばよかったのだが、大雑把にはGoogle Pixel 10 Pro XLの5倍ズームで切手全体を撮影した写真をディスプレイに表示した場合で15~20倍、フラットベットスキャナの300dpiで切手をスキャンした場合で3~4倍とのこと。どうりで、繊維が見えないわけだ。。。
| 目的 | 実用倍率(光学) | 画面表示上の目安 |
| 繊維の有無が分かる | 50~80倍 | 繊維が線として見える |
| 繊維の太さ・方向 | 100~150倍 | 木綿・麻の違いが分かる |
| 繊維配合比の推定 | 150~250倍 | 長短繊維の比率が判断可能 |
| 繊維表面の毛羽 | 250~400倍 | 高精度分析(照明重要) |
最低限やりたいことは繊維を見て用紙を判別するようなことなので、250倍程度あれば良いらしい。顕微鏡と一言で行っても、大雑把に言うと3種類のタイプが合って、①学校の理科の実験で使ったような光学顕微鏡、②顕微鏡にディスプレイがついていてデジタル画像で見られるデジタル顕微鏡、③顕微鏡にはディスプレイがついておらず、PCモニタでデジタル画像を見るデジタル顕微鏡があるらしい。
持ち運びはせずに、顕微鏡の写真をPCで使用・加工するシーンが多そうなことから、③のPCモニタでデジタル画像を見るデジタル顕微鏡の中から選定する方針とした。いくつか候補機はあったが、高解像度というと直感的に4Kなので4K顕微鏡を探すと、サンワダイレクトのUSB 4K 840万画素の顕微鏡の1択となった。この顕微鏡はカタログスペックで光学倍率 最大約390倍なので、繊維表面の毛羽などの高精度分析ができるスペックを持っているらしい。
数日後、顕微鏡が届いたので組み立て後、すぐに取り出すことができた風景2銭切手を使って動作を確認した。まずは切手全体を撮影できるか顕微鏡に付属していたUM Viewerというソフトを使って切手を撮影。写真の短辺に切手の長辺がちょうど良く収まっているが、もう少し引いて撮影することも可能。また、キャリブレーションをしていないので、スケールの絶対値は不正確だが、この写真のように長さを測定することも可能らしい。

次に、どこまで拡大できるか挑戦。もう少し拡大することも可能だったけれども、着色部分の撮影結果はこんな感じ。毛紙の着色繊維だけでなく、白い繊維1本1本が鮮明に見えるようになった。なかなかの写真である。

翌日になって、切手の目打ちの部分が気になったので目打ち部分を撮影してみた。このとき使った切手は昨日撮影した切手がどれだかわからなくなってしまったので、別のものを使用したのだが、結果はこんな感じ。毛羽立ち具合が良くわかる。

