TIPS:明治時代の目打ちについて調べたことをまとめてみた

切手
目打ち機のイメージ図

 小判切手、特に旧小判とU小判の切手分類は用紙と目打ちが基礎になっている。また、TIPS:明治時代の国産の切手用紙について調べたことをまとめみたでは切手ができる工程を16段階でモデル化したが、今回はこのうち「⑯目打ちと裁断」の目打ちについて調べてみた。目打ちは見た目でわかりやすいものも多く、正しく理解すると用紙判定の精度が高まると思われる。まずは、日本切手百科事典旧小判切手 (「日専」を読み解くシリ-ズ)ビジュアル日専 小判・菊切手編に記載の目打ちの情報をまとめてみた。

初期の目打ち

目打ち9s、目打ち11s

 手彫切手に使われた目打ちで、そのまま小判切手でも使われた。数字のあとの「s」は小径の穴を意味する。9sの使用期間は1年くらい、11sも2年くらいと短い。

目打ち11

 手彫切手の初期から使われている目打ち。小判時代になると初期は使われていたが、1880年(明治13年)ごろから使われなくなった。1182年末期からは一次的に使われ、その後廃止されたと推測されている。また、U小判の初期に使われたようだが、これは1182年末期に印刷されたとされる。目打ちの実測は11.6前後。

目打ち12、目打ち12 1/2

 12 1/2は希少性が高いが、後期の目打ち13は12 1/2と測れる目打ちが多いので、初期の目打ち12 1/2と混同しやすいので注意が必要とのこと。目打ち12の実測は12前後、目打ち12 1/2の実測は12.7前後。

目打ち10

 小判切手の標準的な目打ちとも言えるほど量が多く、目打ち13に移行するまで使用された。後期普通紙の時代にもU小判切手で目打ち10が使用された。察するに、印紙や切手の需要が増えて目打ち13の機械が不足したため、代役として使用されたと思われる。目打ち10の実測は9~10.2

中期の目打ち

目打ち11L

 小径の穴を意味する目打ち11sに対し、大径の穴を意味するのが目打ち11Lである。通常の大きさの目打ち11と穴の大きさでは判定が難しいが、目打ち11Lは穴の並びが乱雑であることと、目打ち11の実測は10 3/4~11 1/2であるのに対して、目打ち11や目打ち11sの実測は11未満になることを利用して判別すると良い。

目打ち8 1/2

 目打ち8 1/2の実測は8~9までと幅広い。

目打ち10

 初期から引き続き利用された。

後期の目打ち

目打ち13

 100面版の後期普通紙とほぼ同時に使用が開始された。目打ちの実測は12 1/2~13 1/2あたりまで。

目打ち10、目打ち10 1/2

 初期から利用された目打ち10の機械の使用が終わった後、再度使われるようになったものが後期の目打ち10で、目打ち11の機械が再度使われるようになったものは後期の目打ち10 1/2と呼ばれる。ただし、これらは目打ち機の台数が不足した際の一時的な利用にとどまるため、量は少ない。

目打ち12

 初期の目打ち12とは別物。1891年(明治24年)に400面版用の印刷機が導入された頃に出現した目打ち。1892年(明治25年)頃から出現し始め、菊切手、田沢切手でも使用された。また、1894年(明治27年)頃に、以前からの目打ちとの複合目打ちが一時的に出現している。目打ちの実測は11~12。

目打ち機(打貫機)について

 目打ち機は機械本体よりも櫛部分の径やサイズが切手に現れるの機械自体の論評にはさほど意味はないのかもしれないが、目打ち機つまりは打貫機は1873年(明治6年)に和製手車付き単線目打ち打貫機械を4箇所から計7台購入し、同年さらに海外製のものを1台を加えたようだ。つまりこれは手彫切手の後期の話である。

 さらに、1875年(明治8年)にも海外製の打貫機を1台、海外製の伸縮自在の打貫機を1台加えたようだ。この打貫機の目打ちは登場時期的に9s、11s、10のことだと思われる。一方で40面シートの手彫切手用だった初期の打貫機は80面シートの旧小判切手には小さかったことから、1882年(明治15年)に廃棄されたとされる。目打ちの出現期間を考慮すると、この廃棄対象となったのが11、12、12 1/2だと思われる。これ以降の詳細は把握できなかったが、明治時代の末期は合計40台の打貫機を使用していたようだ。

 また、単線目打ち打貫機械とあるので、1本の線として目打ちを打貫していたことになる。なので、用紙を横にずらしながら打貫すると思えば、縦と横の目打ちピッチが異なる複合目打ちの存在もなんとなく察することができる。

まとめ

 明治時代の目打ちは、初期・中期・後期で使われる種類が大きく変わっていたことが分かった。特に目打ち10や11は長く使われ、目打ち13は後期普通紙とともに登場した重要な目打ちである。目打ちの違いは単なる数字の差ではなく、穴の大きさや並び方にも特徴がある。目打ち機は不足すると古い機械が再利用されることもあった。目打ちを正しく理解することは、旧小判やU小判の分類精度を高めるうえで欠かせないポイントだといえる。

 また、目打ちの種類によっては特定の時期にだけ出現するものもあるようだ。こういった目打ちは入手するのが難しいものが多いことから、旧小判切手の入手ルート次第では存在しないものとして扱えば、目打ちを基準とした用紙分類の精度が高まりそうだ。

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